小さい頃から、そのうちまた東京に大きな地震がくると言われてきた。
「そのうち」がこないまま、大人になってしまった。
阪神・淡路のとき、第一報をみても被害があれほど大きくなるとは思わなかった。だって関西だもの。
今回の震災も、揺れている間は東京がメインなのだと思っていた。
で、この程度の揺れなら「震災」ではないな、と。
でもそういえば、最近よく東北が揺すってたなーと気がついてから、あちらがメインならこれは「震災」に間違いないと思い至った。
こうしてまた、「そのうち」はこなかった。
しかしきっと「そのうち」はくるのだから、決して他人事だと思ってはいけない。
子どもが生まれてから、それなりに備えはしてきた。
そこには阪神・淡路から得た情報も生かしてきた。
・住居
帰宅難民とならないように、勤務先から徒歩で子どもの元に戻れる距離に引っ越した。
引越し先は、地盤が強く、火災危険度の低いところ
寝室に背の高い家具は配置しない
・備蓄
子どもを連れての避難所生活は自分もキツいし回りに迷惑もかけるので、家さえ無事ならそこで過ごせるように水と食料を備蓄
飲料水と非常食を3日分
米は常に一袋予備がある状態に
生活用水を別途タンクに保存
非常用トイレと燃料、ロウソク、防寒用のブランケット
手回しラジオと懐中電灯
引っ越しておいたおかげで震災当日の夜までに息子を引き取ることができたし、備蓄のおかげで水が買えなくなった時も慌てずに済んだので、これまでの準備も無駄ではなかったのは良かった。
けれど今回の震災、原発パニック、計画停電の様子を見て、まだまだ足りないと気がついたことも多い。
①水と食料の備蓄が足りない
津波がなかったとしても、これほどの大都市が壊滅したら3日で復旧は無理だろう。
しかも、現在の住居は団地の10階。エレベーターが使えないと水を運ぶのは大変。
事態が落ち着いたら水と食料をせめて倍にしておきたい。
②避難リュックの中身
用意したものを何でもかんでも詰め込んでいたが、自宅避難で使用するものと、自宅が使えない場合に避難所へ持っていくものは分けるべきだと気付いた。
③子どもだけで避難の可能性
息子が4年生になり、留守番することも増えた。
一人でいるときに被災する可能性を考えて、子供用の避難リュックを用意した。食べ物・飲み物・救急セットと、どう行動するべきかを書いたメモを入れた。
懸案事項は、携帯では連絡がとれないだろうこと。高性能トランシーバを持たせたいぐらいだが・・・
④外出時被災の可能性
ポーチにミニ防災セットを用意。栄養補助食品とゼリー飲料、救急セット、保険証、携帯の充電器などを入れて毎日持ち歩く。
⑤停電の備え
懐中電灯は家族で1つではなく、1人1個に。据え置いて使えるものも用意。
冬用に湯たんぽを購入。
空のペットボトルに水を入れて凍らせたものを何本か冷凍庫に入れておく。
改善できたこともあるけれど、解決できずに残ってしまっていることも・・・何より心配なのは、子どもの通学路が住宅密集地の細い路地であること。いかにも倒れそうなブロック塀や古い木造住宅もあり、学校に提言してみようとは思うが、位置的にちょっと遠回りくらいでは回避できそうにない。
とりあえず地震後は学童クラブまで毎日迎えに行っていたので、帰りがてら危険箇所を2人でチェックし、「ここで地震が来たらどっちへ逃げるか」を話した。
どれだけ備えても絶対安全とはならない。
それでも、我が家はただでさえ人手が足りないのだから、できるだけのことはしておきたいと思う。