Archive for 2010年8月

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巣穴

8月 29, 2010

この時期、帰宅時間と日暮れが同刻らしく、運がよければ団地の廊下の灯りがともる瞬間を目撃することができる。

パラパラパラっと、一斉なんだか、端からなんだか、よく分からない微妙な不ぞろい加減のタイミングで電灯が点いていく。

それだけのことなんだけど、なんだかラッキーな気分になる。

しかしそもそも、私は団地というものが嫌いだ。
ビルはいいけど、団地は嫌だ。
生活の臭いがぷんぷんするから。
大きな団地であればあるほど、嫌だ。

団地としては大きな規模かもしれないが、しょせん限られた、狭い土地。
そこにウサギ小屋どころか、蜂の巣か蟻塚のような建造物が連なっている。
小さな穴の一つ一つに家族が住み、一塊に何百人もの人間がうごめいているのかと思うと、気持ち悪い。
生理的嫌悪のたぐいだと思われる。

しかも公営団地であるから、住んでいるのはよくて庶民、それか貧乏人。
それこそ働き蜂、働き蟻のようにあくせく働いて、楽にならない生活にじっと手を眺めている連中が何百人・・・我ながら辛気臭いなぁ。

貧しいながらも楽しい日々。
泣き笑いしながらのそれなりに幸せな人生がつまってるんだ、コノ四角いコンクリの箱に。
そう考えると、やっぱり気持ち悪いw

やっぱり人として、この居住形態は良くないんだと思う。本当は。
くっつきすぎ。
それでもこれが分相応なのだから、嫌とばかりも言っていられません。
じゅうぶん恵まれているのだし。

嫌だ嫌だといいつつも、いったん「我が家」になってしまえば、
やっぱりおウチがいちばん。
「ただいま」と「おかえり」のあるところ。それでいい。

今日も巣の穴という穴で
「ただいま」
「おかえり」

・・・やっぱキモイか。ま、いいか。

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